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米海兵隊、近い将来に AR (拡張現実) グラスを SIGINT (通信情報) 用に投入予定か

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米海兵隊で近い将来、アサルトライフルのハンドガードにマウントさせたマウスと、拡張現実機能を備えたアイウェアをディスプレイとするシギント (通信情報) 用のシステムが投入される。

これは、米海軍研究局 (ONR: Office of Naval Research) が昨年 9 月に発表したシギント用のサイバー AR (Augmented Reality: 拡張現実) グラスのプロジェクトをバックボーンとし、Popular Science が報じたもの。「シギント」とは英語で「SIGINT」と表記される。これは「signals intelligence」の頭文字に由来し、ここでは通信、電磁波、信号等を媒介とする諜報活動の意味合いも含まれている。
この拡張現実を使ったアイウェアの構想は、海兵隊でモデリングシミュレーションを手掛ける専門家と、シギントのインストラクターにより考案。中でもシギント観点からの開発については、アフガニスタンの戦訓を活かした考えが反映されていると言う。

ONR のプロジェクトでは、AR グラスに、カメラなどの諜報用記録装置の他、顔認識機能や健康状態のモニタリング機能などが盛り込まれている。

従来のアイウェア型ではない Android 端末やラップトップを用いていた際は、銃を構えた状態で追跡する敵ターゲットに関する情報を参照しており、どうしても視線を大きく反らす必要や、場合によって銃を持つその手を端末操作に必要としていた。その為に操作性と効率性の両面でデメリットが浮き立っていた。

そこで考え出されたのが、アサルトライフルのハンドガードにマウントさせたマウスと、ディスプレイ役となった AR グラスを使うことで、視界を邪魔することなく、また手を放すことなく必要な情報を引き出すことができるというもの。

シースルーの光学機器を用いることで、武器の操作性や射撃時の精度に支障を来すことなく扱うことが出来るようになり、兵士の状況認識能力の向上に繋げることが出来るとしている。


AR グラスを用いた試験については、サンフランシスコの ODG (Osterhout Design Group) 社が開発を手掛けた X-6 プロトタイプの改良版を用い、昨年 11 月と今年に入って 1 月、3 月の計 3 回に渡って、サイバーインテリジェンス演習の席で既にデモンストレーションに供されているとのこと。

導入のコスト面や耐久性、防水性能の向上、明るい場所から暗い場所へ入った際のディスプレイ文字の視認性など、実用に向けた課題も挙げられている。

Popular Science 2015/04/23
SIGINT/Cyber Augmented Reality Glasses / ONR
New Test Range Helps Create Cyber Warriors / ONR 2014/12/15

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