米空軍十字章 イヴァン・ルイス 1 等軍曹 (第 23 特殊戦術分隊 特殊戦術パラレスキュー)
Secretary of the Air Force Deborah Lee James pins the Air Force Cross to the uniform of Master Sgt. Ivan Ruiz during a ceremony Dec. 17, 2014, on Hurlburt Field, Fla.パラレスキューマン(PJ)の第1の任務とは、戦場や災害現場における緊急救命である。彼らは、陸海空を問わずどんなに困難な場所であっても派遣され、負傷者や孤立した人々を確保し、手当して、脱出させる。
「死んでいると思うな(That Others May Live)」。これがPJのモットーである。彼らはこの言葉を忘れることはない。もしPJがなければ、今まで多くの人々が災害や戦闘で命を失っていたはずである。これは、その勇敢なPJの話である。
2013年12月10日、イヴァン・ルイス一等軍曹(PJ)は、アフガニスタンのムシャン村付近のタリバン拠点を攻撃する陸軍特殊部隊の中にいた。
CH47のローターにより巻き上げられる砂埃の中、ルイス軍曹は、応援に駆けつけたアフガン兵を的確に指揮し、すぐに攻撃目標まで移動した。
特殊部隊による攻撃に先立ち、AH64アパッチが、敵陣地一帯を30mm機関砲で制圧射撃をした。近頃のタリバンは、米軍の攻撃能力を嫌というほど知っているため、この制圧射撃だけで陣地を捨てて逃げてしまった。
あと3メートルほどの距離に近づいたところで、タリバン兵は後ろに隠し持っていたピストルを乱射した。しかし弾丸は大きく反れ、2発撃ったところでジャムを起こした。ルイスたちは容赦なく応戦し、4名はその場に倒れた。
1つ目の陣地のクリアリングを終えると、さらに向こうに2つの土壁の住居があるのが見えた。ルイスと2名の特殊部隊隊員がクリアリングに向かう。右側の住居をルイスが担当し、左側を2名の隊員がクリアリングすることにした。
ルイス軍曹はゆっくりと住居に近づく。あと20メートルの距離で、「武器を捨てて出て来い」と現地の言葉で警告した。住居の入り口の近くで何か動く様子があった。しかし、呼びかけに対する返事はAK47の射撃だった。ルイスにとっては、これも想定の範囲内であり、反射的にM4カービンのトリガーを引いた。ルイスの銃弾が吸い込まれるように住居の入り口に消える。すぐに悲鳴が聞こえ、AK47の銃声が消えた。
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⇒影のヒーロー、アフガニスタンで激しい銃火の中 19 名もの生命を救った米空軍 PJ
ルイス軍曹は目の前の住居に集中していたため聞こえなかったが、銃声はAK47だけでなく、左側で重機関銃も咆哮していた。鳴り止まない銃機関銃の銃声を聞いて、ルイスは左側を見た。2名の特殊部隊隊員が被弾して倒れていた。
ルイス軍曹は、M4カービンの銃口を左側に向け発砲し、負傷した兵士に接近しようとしたが、敵の圧倒的な火力の前に1ミリも動くことができなかった。背後に向けて、大声で応援を要請したが、背後のアフガン兵は怖気づいて近づこうとしない。
「死んでいると思うな(That Others May Live)」。ルイス軍曹の頭にこだまする。ルイスは、自分の身を顧みず、負傷者に接近していった。
援軍もなく、ルイス軍曹は一人で敵の重機関銃の掃射と戦った。敵の射撃の、わずかな間隙を縫って負傷者に接近したとき、家屋の中から、2つの黒い物体が飛び出した。その物体の1つは、ルイスの30センチの距離に転がった。ソ連製の手榴弾であった。幸い発火ピンが抜かれていなかったので爆発しなかったが、もう1つの手榴弾は、数十メートルの位置で炸裂した。
ようやく特殊部隊の援軍がやってきて援護射撃をしてくれたおかげで、ルイスは負傷者を安全なエリアへ引きずってゆき、応急手当をした。
Text: 友清仁 - FM201508
CH47のローターにより巻き上げられる砂埃の中、ルイス軍曹は、応援に駆けつけたアフガン兵を的確に指揮し、すぐに攻撃目標まで移動した。
特殊部隊による攻撃に先立ち、AH64アパッチが、敵陣地一帯を30mm機関砲で制圧射撃をした。近頃のタリバンは、米軍の攻撃能力を嫌というほど知っているため、この制圧射撃だけで陣地を捨てて逃げてしまった。
Master Sgt. Ivan Ruiz, a pararescueman assigned to the 22nd Expeditionary Special Tactics Squadron, Combined Joint Special Operations Air Component Afghanistan attached to Special Forces Operational Detachment Alpha 7422.ルイス軍曹とアフガン兵は、放棄された陣地のクリアリングに向かう。10メートルほど近づいたところで、陣地の中から4名のタリバン兵が降伏の意思を表しながら姿を見せた。しかし、ルイスは油断しない。奴らは降伏すると見せかけてこちらを油断させ、突然攻撃してくることがある。これも近頃のタリバンの傾向である。
あと3メートルほどの距離に近づいたところで、タリバン兵は後ろに隠し持っていたピストルを乱射した。しかし弾丸は大きく反れ、2発撃ったところでジャムを起こした。ルイスたちは容赦なく応戦し、4名はその場に倒れた。
1つ目の陣地のクリアリングを終えると、さらに向こうに2つの土壁の住居があるのが見えた。ルイスと2名の特殊部隊隊員がクリアリングに向かう。右側の住居をルイスが担当し、左側を2名の隊員がクリアリングすることにした。
ルイス軍曹はゆっくりと住居に近づく。あと20メートルの距離で、「武器を捨てて出て来い」と現地の言葉で警告した。住居の入り口の近くで何か動く様子があった。しかし、呼びかけに対する返事はAK47の射撃だった。ルイスにとっては、これも想定の範囲内であり、反射的にM4カービンのトリガーを引いた。ルイスの銃弾が吸い込まれるように住居の入り口に消える。すぐに悲鳴が聞こえ、AK47の銃声が消えた。
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ルイス軍曹は目の前の住居に集中していたため聞こえなかったが、銃声はAK47だけでなく、左側で重機関銃も咆哮していた。鳴り止まない銃機関銃の銃声を聞いて、ルイスは左側を見た。2名の特殊部隊隊員が被弾して倒れていた。
ルイス軍曹は、M4カービンの銃口を左側に向け発砲し、負傷した兵士に接近しようとしたが、敵の圧倒的な火力の前に1ミリも動くことができなかった。背後に向けて、大声で応援を要請したが、背後のアフガン兵は怖気づいて近づこうとしない。
「死んでいると思うな(That Others May Live)」。ルイス軍曹の頭にこだまする。ルイスは、自分の身を顧みず、負傷者に接近していった。
援軍もなく、ルイス軍曹は一人で敵の重機関銃の掃射と戦った。敵の射撃の、わずかな間隙を縫って負傷者に接近したとき、家屋の中から、2つの黒い物体が飛び出した。その物体の1つは、ルイスの30センチの距離に転がった。ソ連製の手榴弾であった。幸い発火ピンが抜かれていなかったので爆発しなかったが、もう1つの手榴弾は、数十メートルの位置で炸裂した。
ようやく特殊部隊の援軍がやってきて援護射撃をしてくれたおかげで、ルイスは負傷者を安全なエリアへ引きずってゆき、応急手当をした。
手当を終えると再び戦闘地帯へ戻り、攻撃チームの一員として戦った。この戦闘におけるルイス軍曹の貢献は、2名の仲間を救い、11名の敵兵の排除を行ったことである。彼は、この貢献により空軍十字章を授与された。
Text: 友清仁 - FM201508
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