ドイツ連邦軍による海軍特殊部隊の精鋭「フロッグマン」にスポットを当てた映像レポート
ドイツ連邦軍が、50年以上の歴史を持つ同軍最古の特殊部隊である海軍の精鋭「フロッグマン(Kampfschwimmer)」にスポットを当てた映像レポート「Invisible Heroes(Unsichtbare Helden)」を限定公開し、24日より公式サイト上で独占配信を始めた。また併せて海軍は、現職フロッグマンへのインタビューを含める、全10,000文字から成る特設サイトを公開している。
「Kampfschwimmer」特設サイト
http://www.bw.kampfschwimmer-marine.de/
「Kampfschwimmer」特設サイト
http://www.bw.kampfschwimmer-marine.de/
高度7,500メートル。空軍のC-160 "トランザール" 輸送機の後部ランプから、潜水具などおよそ40キログラムにもなる装備に身を包んだ隊員らが、漆黒の闇の広がる大空へ次々に飛び出していく。ほどなくしてパラシュートを開傘し、水温10度の海面に着水後、3,000メートル先の浜辺を目指して移動する。人知れず目標地点に到達した彼らは、海軍が誇る精鋭「フロッグマン(Kampfschwimmer)」だった―。
Foto: Bundeswehr/ Carsten Vennemann
フロッグマンは優れたダイバーであるが、現在その運用環境においてはミッションの80%ほどが陸地での活動となっており、水中での活動はもはや単なる「移動手段」となりつつある。チームは数年間に渡って共に戦場を渡り歩くため、誰もがお互いに何をしているのかをよく理解している。
もちろん、誰もがフロッグマンとして生まれたわけではない。精鋭フロッグマンになるためのその道程は厳しく、志願者の実に70%が途中で脱落するという狭き門となっている。脱落者のその多くは、精神的・内面の弱さ故に完遂できないという。
Foto: Bundeswehr/ Andrea Bienert
ドイツ北部、バルト海に面したシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州エッカーンフェルデ。海軍がバルト海に唯一持っている深海港として知られるこの地で、年に2回、連邦軍による選抜課程がおこなわれている。
ホール(Halle)でおこなわれる訓練は、志願者を精神的・肉体的に追い込むことを目的としている。設定されたプログラムにおいては、遠泳、潜水、腹筋、スクワットといった耐久系の競技・科目が主題となっている。
Foto: Bundeswehr/ Sebastian Wilke
そしてオープンウォータートレーニングでは、水との恐怖を克服することが課せられる。水中を専門とするフロッグマンにとって水は、時に味方でもあり敵でもある。志願者は、精神・肉体の限界に挑みながらも、10週間にもおよび昼夜を問わず冷たい海水の中で、その怖さを身をもって体験することになる。
Foto: Bundeswehr/ Sebastian Wilke
続いて陸上戦闘と戦術訓練が絶え間なく12週間に渡っておこなわれる。もちろん、ここにも昼夜の境は関係ない。まさに戦闘訓練の底無き沼に陥ることになる。そして、訓練終盤には、10日間に及ぶ最終試験が実施される。
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