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アメリカ海兵隊が歩兵分隊の構成を「15人」に変更する方針

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アメリカ海兵隊が歩兵分隊の構成を「15人」に変更する方針
This photo is for illustrative purposes only.
アメリカ海兵隊が歩兵分隊の構成を変更しようとしていることは、先日、ミリブロNewsでも取り上げた。様々な人員構成・サイズに関するアイディアが俎上(そじょう)に載せられたが、今のところ2人増員となる「15人」で最終決定となるようだ。

参考:アメリカ海兵隊の分隊編成が13人から12人に縮小 新たに「分隊システムオペレーター」が追加 - ミリブロNews
分隊長と4人の火力チーム3つの合計13人という現行の構成から、1人減らした12人にするというのは、前海兵隊総司令官ロバート・ネラーによるものであった。火力チームから1人ずつ減らし、代わりに副分隊長とドローンの操縦などを担当する分隊システムオペレーターを加えた12人にすることで、分隊長の負担軽減と、索敵・電子戦能力の向上を狙うというものだ。また、分隊から減らした1人を、サイバー戦などの新分野にまわすことができるという、海兵隊の人員不足も解決する可能性があった。

しかしテストの結果は芳しくなかった。分隊の携行能力や火力は想定以上に減少した。また兵士あたりの役割分担が増えた分、1人欠けただけでも戦闘の継続が難しくなった。そもそも海兵隊は補給・補充が難しい上陸戦、海外への出征を前提としており、他軍と比べて分隊の規模は大きくせざるを得ない。人員の減少はかなりの影響を与えたようだ。

海兵隊のみならず、軍の人手不足は慢性的な問題である。マティス元国防長官のタスクフォースは、資格取得や任期延長などの際に支給するボーナスを大幅に増額することで人離れを食い止める策をとった。海兵隊内部でも「大隊、連隊レベルで配置換えするならともかく、分隊から人を削ったところで根本的な解決にはならないのではないか」という声が上がった。

参考:米国防総省が陸軍の募集難をクリアすべく選抜試験突破者に2,700万円のボーナスを支給する案を検討中 - ミリブロNews

結果「12人案」における火力チームの人数を、従来どおりの4人に戻すことでマンパワーを確保することとなった。この15人構成は、現場でも好評なようだ。人数が増えて様々な余裕が生まれたほか、戦闘においては、副分隊長が指揮を分担することでより複雑な機動を行ったり、より広い幅に展開することができるようになった。支援射撃の密度も向上した。

分隊システムオペレーターも徐々にその機能が理解されつつあるようだ。携行するドローンはごく小型のもので、監視機材を搭載すると航続時間が30分ほどになってしまう。しかしサーマルスコープによる敵発見能力の向上はめざましく、索敵時間の短さを補って余りあるという。市街地環境においては建物の屋上の端に着陸させて、監視カメラとして用いることでバッテリーを節約するなどの運用方法の研究もすすんでいる。静粛性も十分で発見されにくいが、若い兵士の中には、わざと見つかるようにドローンを飛行させて、おとりに使用する者もいるという。

今後、ロシアや中国といった練度や規模において同等の相手が仮想敵となることが考えられるアメリカ海兵隊。装備の更新も最近は頻繁に伝えられており、ゆっくりではあるものの着実な変化の兆しが伺える。

Source: 15-Marine rifle squad: An exclusive look inside the future infantry

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201909
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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