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アメリカ海軍が注目する魚のカモフラージュ術

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Fish Skin Provides Invisibility in Open Ocean

Invisible fish? #UTAustin researchers discovered how fish seem to disappear in the ocean, and the breakthrough could help the military make better camouflage.

Posted by The University of Texas at Austin on 2015年11月19日
「魔法の透明マント」は本当に存在するのか?そんな疑問をアメリカ海軍が解明しようとしている。海軍とテキサス大学オースティン校の研究によると、アジ科の2種類の魚が、うろこに光を反射させる何かを持っていて、光の当たり方により、天敵の目から逃れているらしい。

現在、その魔法のマントを持つと思われている魚は、アカアジとイトヒキアカアジである。海軍は、この研究に資金を投入し、これらの魚がどのように隠れているか、そしてこの原理が海軍で活用できないか考えている。研究は、2種類の魚に絞って行われているものの、この2種類以外にも、白ウルワ、コクチマス・トレバリー、クサヤモロ、ツムブリなども研究対象とされている。

テキサス大学の研究によると、これらのアジ科の魚は、うろこに光の波を偏光させる何かを持っているという。同大学の研究者は、うろこに表面にあるとされるグアニン小板(guanine platelets)の微細な要素を研究している。この研究はまだ始まったばかりであり、同大学のパリッシュ・ブラディ教授によると、「いつ、どのようにこの研究の成果が現れるか、まったく予想もつきません」。
アジ科の魚は、水面下で光を反射させて、サメなどの天敵から逃れているようである。広い海では、サメから身を隠す場所など全くないため、この方法は非常なアドバンテージである。光の中に隠れるということは、常にうまくゆくとはかぎらないが、生存性を高めることができる。つまり、より長く生き、繁殖の機会を増やすことができるのである。これを海軍の艦艇に当てはめれば、艦艇の生存性を高めることになるだろう。

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一方で、レーダーやスパイ衛星に対するカモフラージュ・隠匿技術は、ステルス技術としてかなり進んでいるものの、肉眼による捕捉を阻止する方法は、未だに手がかりすらない。意外に思われるかもしれないが、科学技術が進んで現代であっても、目視による情報ほど、正確なものはない。

例えば、海軍基地のある町にスパイを配置し、毎日、艦艇の数と種類、艦船番号を調べさせる。1つの情報だけでは意味をなさないが、複数個所で長期間にわたって行われて情報が統合されると、艦隊の配備状況やローテーション周期などが判明してしまう。これは、海軍にとって非常に重要な情報でありながら完全に秘匿できない。もし、艦艇を「透明」にできれば、どんなにいいことだろう。

アカアジとイトヒキアジが研究対象に選ばれたのは、うろこが鏡のように銀色で、平坦であるため、色をよく反射し、鋭角で見ると隠れることが容易であるためである。

「この仕組みを解明することができれば、環境に即したカモフラージュ技術が進歩するでしょう」。自然科学大学の統合生物学の教授であるモリー・カミングズは語る。

「我々は、魚を固定してビデオを使って測定しています」。カミングスは語る。魚は、ビデオ撮影されているときに、鏡に対面して固定される。魚を固定しているプラットホームは、旋光計が記録する際に、3分間で1周するようになっている。

頭の先から尾まで1500以上もの角度が測定され、これらの魚のうろこは、環境によって鏡よりもよく反射し、発見されずらいことを解明した。

研究は始まったばかりだが、この技術が完成すれば、究極のステルス艦が誕生することになる。

Science Journal 2015/11/20
Pys.org 2015/11/19
Washington Post 2015/11/19
Text: 友清仁 - FM201512

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