【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~

海外軍事 エアソフト・サバゲー・実銃・アウトドア関連 レポート Comments(0)
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
皆さんよくご存じのHK416はH&K社のアサルトカービン。特殊部隊を中心としたミリタリーでの採用が増えていることはもちろん、日本でも電動ガンやガスガンは高い人気があります。
今回はそんなHK416のバリエーションを紹介してみます。
まず前提として2004年に発表されたのが「HKM4」というカービン。
M4/M16の「ダイレクト・インピンジメント方式」をガスピストン方式に変更したARクローンです。

で、これを改良したのが翌2005年に発表された「HK416」。

ガスピストンは1cmほどの超ショートストロークで動作後のガスはバレル内に吹き戻されます。この方式によって耐久性と信頼性が大幅に向上しましたが、重量とリコイルも同仕様のM4よりアップ。そして価格も安くないため、特殊部隊などで限定的に運用されているケースが多いです。

【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
ちなみに実銃を触って気付いたのですが、現行のHK416シリーズは全てハンマーダウンの状態でもセレクターがセフティに入ります(M4/M16はコッキングしていないとセフティをかけられない)。また、HK-USAの人がいうには「ドイツ製とアメリカ製で刻印に違いはあるけどパーツや仕様に関しては全く同一」とのことです。

HK416D
では最初はHK416D。
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
HK416をさらにリファインしたのがHK-USAの「HK416D」。「D」はDefenceの略で軍やLEなど公的機関向けを表しています。

【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
東京マルイから発売予定の「HK416デルタカスタム」もデルタフォースで使用されているといわれるモデルを再現したもの。この写真が元ネタだと思われます。

関連記事:
【イベントレポート】新製品が盛りだくさん! 「東京マルイフェスティバル3rd」の詳細レポート!

【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
ハンドガードはガイズリー(GEISSELE)、ボルトキャリアやマガジン底部が青く見えるのはシミュニッション(軟質素材のペイント弾)などの訓練弾用でしょう。

かつては「デルタの416はアッパーのみ支給で・・・」といわれていましたが、この写真を見る限り416ロワーのものもあるんですね。

MR556A1
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
HK416Dのアメリカ向け民間バージョンが「MR556A1」でセミオートオンリー+16インチバレルという仕様。
MR556A1はアッパーがAR互換となり2ステージトリガーとアンビセレクターが標準で搭載されていますが、価格は3200USドルと非常に高価です。

【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
実銃を持った限りはガスシステムの追加とゴツいハンドガードによってフロントヘビーに感じました。もともとARはフロントヘビーですがそれに輪をかけて・・・といった印象です。
カスタマイズの例としてはこんな感じ。
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
SHOTSHOWでMAGPULブースにあったサンプルです。
ガイズリー製ハンドガード、ストックはMOE-SL、グリップはMOE-K2、ドットサイトはCOMPM4、F/RサイトはMBUS-PRO。

こちらは違う年にあったサンプルガン。
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
やはりハンドガードはガイズリーが装着されています、というかMR556・HK416用のカスタムハンドガードは市販品ではこれくらいしかないみたいですね。

M27 IAR
HK416のバリエーションとして忘れてはならないのが「M27 IAR」。
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
アメリカ海兵隊が採用した分隊支援火器バージョンです。
バレルは16.5インチのヘビーバレルでハンドガードは11インチ、米軍規格のバヨネットマウントが追加されている以外はほぼHK416Dのまま。

「30連マガジンで支援火器?」と思ってしまいますが、M249では不可能だった高精度な支援射撃が可能で部隊では好評だそうです。

関連記事:
アメリカ海兵隊がM27 IARを新制式小銃として導入試験中

HK416A5
され、お次は最新バージョンの「HK416A5」。
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
2012年に行われたICC(米軍の次期カービン開発計画)に参加するために改良されたモデルになります。
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
タンカラーが正式に追加されただけでなく、細部を中心に大幅にリファインされているのが特徴。例えばレシーバーは・・・

【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
「1」ガスピストンロッドの固定用のピン(脱落防止用)。
「2」ボルトキャッチレバーのガード。ボルトキャッチ自体も大型化。
「3」アンビマガジンキャッチボタン。
「4」M4/M16と同じ角度になったマガジン挿入口。
「5」寒冷地での手袋対応の大型トリガーガード。
「6」ワイドキャッスルナット(写真切れていてすいません)。
「7」トリガーピンとハンマーピンはネジによる固定式。

特に「4」のマガジン挿入口がポイントで、従来のHK416DにはGEN2までのPMAGが使えませんでした(EMAGやLancerのマガジンは使える)。GEN3のPMAGになってHK416にも刺せるようになりましたが、本体の方でも対応したようです。

エジェクションポート側のポイントはこんな感じ。

【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
「1」アンビのボルトキャッチレバー。
「2」樹脂製のダストカバー(以前から部分的には装着されていた)。
「3」ネジ式のピン。
「4」穴のないボルトキャリア(HK416の頃からこれ)
「5」オペレーションロッドのピンは左右貫通タイプ。
やはりけっこう違っています。

ストックもG28に近い形状のものに。
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
コンパートメントスペースは特になくスリムなストックです。

ガスブロックにはガスレギュレータを装備。

【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
弾薬変更やサプレッサーの使用などに対応するためだそうです。

マガジンも新型の樹脂製が追加されています。

【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
持つとPMAGより全然軽く、メーカーの人いわく弾送りが非常にスムーズだとか。HK416Dはもちろん通常のM4/M16にも装着できますが50USドルほどします(PMAGは13〜17USドル)。
以上が新型(現行型)のA5の特徴になります。

HK416F
で、このA5。「HK416F」としてフランス軍の採用が決定しました。

関連記事:
フランス軍の新制式小銃「HK416F」

【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
FA-MASに替わる主力小銃としてノルウェー(HK416N)やドイツ連邦軍の一部(G38)に続いての正式採用となります。主力小銃としてはかなり高価なモデルになりますが、それを補うメリットがあると判断したのでしょう。
上記のA5とはフロントサイトとバヨネットマウントが変更されているようです。

MR223
もう1つ、「MR223」というモデルがあります。
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
これはMR556と同じく民間用のセミオート仕様ですが、MR556がアメリカ向けなのに対してカナダ・ヨーロッパ向けのモデル。
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
現在では「MR223A3」となり、HK416A5に準じた仕様になっていますが、ガスレギュレータはなくフロントサイトの装着位置が変更されています。

以上、HK416シリーズの現状を簡単にまとめてみました。

HK416Dについてはいまさら感もあるので軽くサラッと触れたのみ。また、採用例をほとんど聞かないHK416Cについてはスルーしました、すいません。

HK416C
【特集】現行ライフルのバリエーション紹介~HK416編~
イギリスのハンプシャー警察で使われている画像くらいしか見つかりません・・・。

ともかく、電動ガンでは一番人気といえるM4(AR)をさらに改良したという事実や、特殊部隊を中心として採用が進んでいるといった理由でファンが多いHK416シリーズですが、実銃ではより進化したA5が今後主流になっていくと思われます。

もしかしたら近い将来、MR556もA5ベースの新型に切り替わる可能性も高いのではないでしょうか。

というわけで各メーカーさん、ぜひA5をモデルアップして欲しいなぁ・・・という私イヌイの願望を込めた記事をお送りしました。

Text: 乾宗一郎

同じカテゴリー(海外軍事)の記事画像
DJI Mavic3カタログスペック解説 Cineモデルとの違いとは?
【ミリタリー雑学】Tan499とかCoyote Brown498って結局ナニ?
ドローンがウクライナ侵攻で果たす役割とは
アメリカがウクライナに10Km先のターゲットを狙えるUAVを供給か
ドイツ企業が新型の空挺装甲車の開発を開始
ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム
同じカテゴリー(海外軍事)の記事
 DJI Mavic3カタログスペック解説 Cineモデルとの違いとは? (2022-06-07 14:29)
 【ミリタリー雑学】Tan499とかCoyote Brown498って結局ナニ? (2022-05-05 19:21)
 ドローンがウクライナ侵攻で果たす役割とは (2022-04-08 16:46)
 アメリカがウクライナに10Km先のターゲットを狙えるUAVを供給か (2022-03-26 13:10)
 ドイツ企業が新型の空挺装甲車の開発を開始 (2021-08-08 11:54)
 ロシアの2つの艦艇向け新型対空防御システム (2021-08-06 16:57)
この記事へのコメント
コメントを投稿する

この記事をブックマーク/共有する

この記事をはてなブックマークに追加

新着情報をメールでチェック!

ミリブロNewsの新着エントリーをメールでお届け!メールアドレスを入力するだけで簡単にご登録を頂けます!

[入力例] example@militaryblog.jp
登録の解除は →こちら

PageTop