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一大ビジネスチャンス到来、米陸軍 M9 ピストルからのリプレイス選定で競合する銃器メーカー各社

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米陸軍で制式採用中の M9 ピストルからのリプレイス、最大 5 億 8,000 万ドル (=約 690 億円) の案件獲得を目指し、銃器メーカー各社がコンペに向けてしのぎを削っている。

契約に係る金額だけでなく、勝者には「米軍お墨付き」と、民間向けマーケットでの人気に拍車が掛かるとあって、長期に渡る一大ビジネスチャンスの到来となる。
1985 年に運用開始された M9 ピストルは、「手の小さな者にとって嵩張る」ことや、イラク、アフガンの戦地を経験した兵士の間では、「パワー不足」が指摘され続けた。これらの改善策を求め、民間マーケットに目を向けても、解決に至る互換パーツの模索は容易では無かったとされる。

そこで陸軍では、既存の M9 を微調整するような小手先の対応ではなく、抜本的に新たなピストル採用に向けた動きを本格化させた。

陸軍では、低照明下での射撃を容易にするサイトを要件に掲げている他、赤外線ポインターのような追加装備を簡単に取り付ける事が出来るようレール対応であることや、サプレッサーに対応することも希求している。

2006 年に実施した戦闘帰還兵への調査によると、58% の兵士が M9 ピストルに満足していると回答。これは同様におこなった調査の中で M16 ライフルが 75%、M4 カービンに至っては 89% が満足と回答していることと比べて低いスコアであったことが分かっている。

また、ざっくりと、およそ 4 分の 1 の兵士が、向かってくる敵を容易に無力化できるよう、大口径化を求めている実態も明らかとなっている。これを受けて、陸軍はメーカー各社に対して最適な弾薬の決定も要件に提示している。

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今回の競合参加における各社は、年明け 2016 年 1 月にも、陸軍に対して提案内容を示す予定をしている。一方の提案を受ける陸軍側は、最大 3 つの最終候補を選定し、兵士への評価を含めた更なるテストを実施する予定だ。そして、2019 年にも次期ピストルの第一陣が兵士の手元へ送られることになる。

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AP 2015/10/15

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