アメリカ陸軍特殊部隊「史上初の女性グリーンベレー隊員」に王手か
Photo by U.S. Army
アメリカ軍は2016年、戦闘職種を女性に開放し、現在約700人がその任務についているが、特殊部隊については未だ合格者が出ていない。そんな「難関」の合格に、ある女性兵士が「王手」をかけている状態であると、ニューヨーク・タイムズ紙などが報じている。
参考記事:
・米陸軍レンジャースクールで女性 2 人が史上初の卒業。海軍特殊部隊 SEALs でも女性に門戸開放を検討 - ミリブロNews
報道によればグリーンベレーの最終試験である「Qコース」の突破間近とされているのは州兵の女性。陸軍特殊部隊USASOCの広報はあらゆる個人情報の提供を拒否しているが、情報源である匿名の高官は「負傷などがなければほぼ間違いない」とコメントしている。
グリーンベレーになるには体力テストである「A&S」を突破し、さらに53週間・6フェーズにわたる「Qコース」をクリアしなければならない。これまでA&Sを突破した女性は存在するが「Qコース」は未だ攻略されていない。
参考記事:
・特集:米軍特殊部隊 ― アメリカ陸軍特殊部隊 USASOC編 - ミリブロNews
・女性兵士が初めて「グリーンベレー」選抜テストの第1段階を突破し「Qコース」に進出 - ミリブロNews
Qコースは小部隊戦術や射撃といった戦闘技術だけでなく、言語訓練など非正規戦に関する戦術を習得するもので、最終フェーズの「ロビン・セージ」ではノースカロライナ州に作られた架空の国家でゲリラ戦の演習を行う。
「ロビン・セージ」演習の様子。敵性国家に潜入し、現地反政府勢力を教育・教導して非正規戦を展開する術を学ぶ。
Photo from U.S. Army
つい最近、内容が簡略化・易化しているという内部告発もあったが、それでも体力・知力ともに高度なものが要求される選抜試験である。
参考記事:
・「グリーンベレー選抜はいまやフリーパスに等しい」内部からの告発文について軍が調査を開始 - ミリブロNews
女性が戦闘に参加することについては軍内外で大きな議論となっている。しかし非正規戦の現場、特に「Hearts and Minds」と呼ばれる人心掌握のための心理作戦においては、既に女性が大いに活躍している。女性グリーンベレーの誕生は、USASOCにより柔軟な作戦能力を与えることになるのではないか。
参考記事:
・USASOC が編成した女性だけのチーム「CST」の兵士のノンフィクション「Ashley’s War」が出版 - ミリブロNews
Source: First Woman Set to Pass Special Forces Training and Join Green Berets - The New York Times
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM202002
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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